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聖パウロの回心 (Conversione di sa Paolo)
1600年 | 230×175cm | 油彩・画布 |
サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂チェラージ礼拝堂 |
サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂チェラージ礼拝堂のために制作された『聖パウロの回心』。対画である『聖ペテロの磔刑』と共に同礼拝堂へ収められる本作は、一世紀にキリスト教の布教に努め、後にキリスト十二使徒として数えられた「小さいもの」を意味する≪聖パウロ≫を描いたもので、本場面は聖パウロがまだサウロと呼ばれていたユダヤ教徒の時代に、キリスト教弾圧のためにダマスクスへ向かう道中に、突然天からの光に照らされキリストの声を聞く劇的な一瞬を捉えたもので、暗中に浮かび上がる聖パウロの驚きと躍動感は、まさに画家独自の様式による表現手法にほかならない。また本作は一度受け取りを拒否され再度描き直された第2作目であり、人物が複雑に絡み合うマニエリスムの特徴とロンバルディア的風景表現を色濃く示す第1作目はローマのオデスカルキ・コレクションに所蔵されている。
関連:第1作目『聖パウロの回心』
関連:『聖ペテロの磔刑』
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