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ロザリオの聖母 (The Madonna of the Rosary) 1624-27年
397×278cm | 油彩・画布 | オラトリオ・デル・ロザリオ
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巨匠ヴァン・ダイクが描いた宗教画作品のひとつ『ロザリオの聖母』。パレルモの聖ドミニコ会に属するロザリオ兄弟団のために制作され、オラトリオ・デル・ロザリオに所蔵されている本作には、天上から降臨する聖母マリアと聖母に抱かれる幼子イエスを中心に、スペインのカスティリャ地方の貴族出身で聖ドミニコ修道会の創始者でもある≪聖ドミニクス≫や、リマ出身である聖ドミニコ会第三会≪聖女ローサ≫など、聖ドミニコ会に関係する聖人たちが描かれている。本作に示される明暗対比の大きい陰影描写や劇性を重要視した場面表現に、師ピーテル・パウル・ルーベンスの多大なる影響を感じさせるも、細部のやや甘美性を伴う優雅な聖人らの目撃姿や、画面下部に配されている鼻をつまむ天使のユーモラスな表現に、ヴァン・ダイクの独自性が示されている。
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