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放蕩息子の帰還 (Figliol prodigo) 1619年
106.5×143.5cm | 油彩・画布 | ウィーン美術史美術館 |
ボローニャ派の画家グエルチーノを代表する宗教画『放蕩息子の帰還』。セッラ枢機卿の依頼により制作された本作の主題はイエスの寓意のひとつで、父から財産を等分に与えられた兄弟のうち、弟は家を出て放蕩し財産を消費した後、豚の世話役となり、その餌で餓えをしのいでいたが、最後には実家へと戻り父の祝福を受けるも、真面目に農業の精を出していた兄は怒り詰るが、父より、罪を犯した者が悔悛することは死人が蘇るようなものと宥められる、信仰と慈悲と希望を説いた≪放蕩息子≫より放蕩息子の帰還の場面を描いたもので、強い明暗法によって劇的な感情性を表現した画家の特徴がよく示されている。
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