Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us
home Information Collection Data Communication
Collectionコレクション
homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

グエルチーノ Guercino
1591-1666 | イタリア | バロック・ボローニャ派

17世紀ボローニャ派の代表的な画家(本名はGiovanni Francesco Barbieri)。強い明暗法による激しい運動性と感情性に洗練された古典主義的手法を均衡させ独自の様式を確立。フェラーラ近郊の小都市チェントに生まれ、ドッソ・ドッシなどフェラーラ派の絵画を独学で修行した後、アンニーバレ・カラッチの従兄弟ルドヴィコ・カラッチに影響を受けながら画風を形成するも、1621年から1623年のローマ滞在でドメニキーノら古典主義的絵画に強い感銘を受け、その画風を大きく変貌させる。1623年から故郷チェントに帰郷し活動をおこなうが1643年、グイド・レーニの死をきっかけにボローニャへ移り、以後ボローニャ画壇におけるアカデミズムの指導者として活躍した。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
拡大表示
放蕩息子の帰還 (Figliol prodigo) 1619年
106.5×143.5cm | 油彩・画布 | ウィーン美術史美術館

ボローニャ派の画家グエルチーノを代表する宗教画『放蕩息子の帰還』。セッラ枢機卿の依頼により制作された本作の主題はイエスの寓意のひとつで、父から財産を等分に与えられた兄弟のうち、弟は家を出て放蕩し財産を消費した後、豚の世話役となり、その餌で餓えをしのいでいたが、最後には実家へと戻り父の祝福を受けるも、真面目に農業の精を出していた兄は怒り詰るが、父より、罪を犯した者が悔悛することは死人が蘇るようなものと宥められる、信仰と慈悲と希望を説いた≪放蕩息子≫より放蕩息子の帰還の場面を描いたもので、強い明暗法によって劇的な感情性を表現した画家の特徴がよく示されている。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
ラザロの蘇生 (Resurrezione di Lazzaro) 1619年頃
199×233cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

グエルチーノの画業における初期に描かれた代表作のひとつ『ラザロの蘇生』。ルイ十六世が統治していた頃に購入され、ルーヴル美術館の所蔵となった本作の主題は、キリストがおこなった奇蹟の中でも、最も有名な逸話のひとつである≪ラザロの蘇生≫を描いたもので、ユダヤ近郊に居住していたベタニア人姉妹マルタとマリアの弟ラザロが病に倒れたとの知らせを受け、イエスが弟子の制止を聞かずラザロの許へ向かうも、イエスが着いたときにはラザロは死して四日経っていたが、到着したイエスが墓石を移動し、腐敗したラザロに呼びかけると、全身を布で包まれたラザロが蘇生し墓から出てきたとされる、キリストによる死者の蘇生の奇蹟の中で、最も重要な逸話とされる本主題を、グエルチーノの様式となる強い明暗法による激しい運動性によって、極めて大胆かつ感情豊かに描かれている。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
ペリシテ人に捕らえられるサムソン 1619年
(Sansone catturato dai filistei)
191.1×236.9cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館

ボローニャ派の画家グエルチーノの特徴が良く示される代表作『ペリシテ人に捕らえられるサムソン』。本作の主題は、イスラエルの師士であり同地を20年間統治した怪力者サムソンが、あまりの怪力からイスラエル民からも恐れられ、敵対していたペリシテ人へと引き渡される場面≪ペリシテ人に捕らえられるサムソン≫を描いたもので、グエルチーノの典型的な作風である、強い明暗対比による激しい感情表現と、劇的な運動性が存分に発揮されている。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
法衣を受けるアクィタニアの聖グリエルムス
(di San Guglielmo d'Aquitania) 1620年頃
341×232cm | 油彩・画布 | ボローニャ国立美術館

グエルチーノ初期の最も重要な作品のひとつ『法衣を受けるアクィタニアの聖グリエルムス』。本作は11世紀から12世紀にかけて活動した聖人で、聖ベルナルドゥスからパルトネ聖堂に聖餅を拝受し節を変えたほか、隠者となりローマ巡礼をおこなった≪聖グリエルムス≫を描いたもので、菱形に配置される人物による法衣授与と聖母子降臨の2場面構成を取っているほか、「光と色彩による斑点」と評された強い明暗法による激しい運動性と感情性の表現は、収められたボローニャのサン・グレゴリオ聖堂内でルドヴィコ・カラッチなど他の画家が描いた作品を凌駕し、圧倒的な存在感を示した。また本作の完成度の高さから当時の権力者であるルドヴィシ枢機卿に認められ、グエルチーノは名実共に、エミリア派の頂点に君臨することになった。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
アウロラ(曙) (Aurora) 1621年
530×1030cm | テンペラ | カジーノ・ルドヴィージ(ローマ)

グエルチーノによる意欲的傑作『アウロラ(曙)』。1621年ボローニャ出身の枢機卿アレッサンドロ・ルドヴィジが教皇グレゴリウス15世となったことを切っ掛けに、グエルチーノをローマへ呼び寄せ描かれた大作で、曙の女神アウロラを中心に昼と夜を配した作品でイタリア・バロック芸術の特徴である錯覚的な空間表現の先駆けともなった。本作には数年前に描かれたグイド・レーニによる古典的趣向の傑作『アウロラ(曙)』を意識し描かれていることがはっきりと示されており、グイド・レーニ『アウロラ(曙)』が様式美を基とした上品かつ静麗な表現であるのに対しグエルチーノの描いた『アウロラ(曙)』は錯覚を感じさせる空間の表現や躍動と空想に満ちた、極めてバロック的特徴の強い作品へと仕上げられている。また本作の周囲に配される建築部分の枠組みは専門家であったアゴスティーノ・タッシによるもの。

関連:建築部分含む『アウロラ(曙)』
関連:グイド・レーニ作『アウロラ(曙)』

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
我アルカディアにもあり (Et in Arcadia ego) 1621-23年頃
78×89cm | 油彩・画布 | ローマ国立美術館

17世紀ボローニャ派を代表する画家グエルチーノの最も良く知られる傑作『我アルカディアにもあり』。題名ともなっている本作の主題≪我アルカディアにもあり≫は、17世紀のイタリアで作られたラテン語の成句で、理想郷アルカディアにも死(本作では髑髏)は存在することを意味している。コレッジョヴェネツィア派の様式とグエルチーノの思慮の深さが見事に調和を見せ、それまでに類のない感銘性を持ち合わせている。また本作は、17世紀以降、頻繁に描かれた≪我アルカディアにもあり≫を主題とした最初の絵画としても知られている。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
マグダラのマリア (Maddalena e due santi) 1622年頃
220×200cm | 油彩・画布 | ヴァティカン宮美術館 絵画館

17世紀ボローニャ画壇の重鎮グエルチーノの傑作『マグダラのマリア』。ローマ滞在中に、コンヴェルティーテ・アル・コルソ聖堂のために依頼され描かれた本作は、イエスが埋葬されて3日の後、空となった墓石の傍らで悲観に暮れるマグダラのマリアの下に2人の天使が降臨し、主の復活を告げる場面≪キリストの復活≫の一場面を典拠とし描かれた作品で、天使のひとりはイエスの受難の象徴である磔刑時に使用された釘を、もうひとりは復活と救済を示す天上を指差している。現在、画家の研究が進み、本作はこのローマ滞在でドメニキーノら古典主義的絵画に強い影響を受け発展してゆくグエルチーノの様式の転換期を示す重要な作品として位置付けられている。

解説の続きはコチラ

【全体図】
拡大表示
キリストの哀悼 (Compianto sul Cristo morto) 1620年代
36×44cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

グエルチーノの代表作『キリストの哀悼』。本作の主題はゴルゴダの丘で磔刑に処され死したイエスと、それを哀悼する天使を描いた≪キリストの哀悼≫で、スフマート(ぼかし技法)を用いたグエルチーノの古典主義的手法と、強い明暗対比による劇的で感情豊かな場面表現が大きな特徴のひとつである。また本作の制作年代については1617年〜1618年とされる説も唱えられており、現在も研究と検証が続いている。

解説の続きはコチラ

Copyright (C) Salvastyle.com - ++ All Rights Reserved.