■ |
法衣を受けるアクィタニアの聖グリエルムス
(di San Guglielmo d'Aquitania) 1620年頃
341×232cm | 油彩・画布 | ボローニャ国立美術館 |
グエルチーノ初期の最も重要な作品のひとつ『法衣を受けるアクィタニアの聖グリエルムス』。本作は11世紀から12世紀にかけて活動した聖人で、聖ベルナルドゥスからパルトネ聖堂に聖餅を拝受し節を変えたほか、隠者となりローマ巡礼をおこなった≪聖グリエルムス≫を描いたもので、菱形に配置される人物による法衣授与と聖母子降臨の2場面構成を取っているほか、「光と色彩による斑点」と評された強い明暗法による激しい運動性と感情性の表現は、収められたボローニャのサン・グレゴリオ聖堂内でルドヴィコ・カラッチなど他の画家が描いた作品を凌駕し、圧倒的な存在感を示した。また本作の完成度の高さから当時の権力者であるルドヴィシ枢機卿に認められ、グエルチーノは名実共に、エミリア派の頂点に君臨することになった。
|