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サムソンの勝利 (Sansone vittorioso) 1618年
260×223cm | 油彩・画布 | ボローニャ国立美術館 |
グイド・レーニによる肉体表現の傑作のひとつ『サムソンの勝利』。暖炉の炉胸部分を覆うためにこのような形で描かれた本作は、旧約聖書におけるマノアと不妊の妻との間に生まれた怪力の師士≪サムソン≫を描いたもので、バロック美術における最も特徴的な躍動感と劇的な構図による男性の典型的な肉体美を表現している。イスラエルの師士であり20年間同地を統治したサムソンは、師士になる前、怪力によるあまり暴力にイスラエルの民からも恐れられ、敵対していたペリシテ人に引き渡されたが、サムソンを縛っていた縄が解かれると、1,000人ものペリシテ人を殺害し、神より与えられた泉の水で喉を潤したとされる。この際、泉の名称が「顎」であったため、後に誤訳され、サムソンが顎から水を飲む奇妙な姿で描かれることになった。
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