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ヘレネの誘拐 (Ratto di Elena) 1631年
253×265cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
グイド・レーニの様式がよく示される代表作のひとつ『ヘレネの誘拐』。本作の主題は、有名な神話≪パリスの審判≫にも登場する女神達の審判者でありトロイア王の息子パリスが、人間の中で最も美しいとされたスパルタ王妃ヘレネを、スパルタ王が不在時に強奪しトロイアへ連れ帰った神話≪ヘレネの誘拐≫を描いたもので、眩いばかりに輝く豊かな色彩によって、極めて優美な印象を与えている。これは既にボローニャ派の古典主義画派の指導者的存在となっていた頃にグイド・レーニが残した作品の大きな特徴であり、本作はそれが存分に示されている。
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