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レンブラント (Rembrandt Harmensz, van Rijn)
2006/08/24掲載
【全体図】
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イサクの犠牲
1635年頃
(The Angel Stopping Abraham from Sacrificing Isaac to God)
193×133cm | 油彩・画布 | エルミタージュ美術館
巨匠レンブラント・ファン・レインを代表する宗教画作品のひとつ『イサクの犠牲』。本作に描かれるのは、イスラエルの民の祖アブラハムと妻サラの間に生まれた待望の男子イサク(笑いの意)を山上で焼き、我に捧げよと神がアブラハムに命じ、迷い苦しんだ末にアブラハムは息子イサクを山上へ連れてゆく決意を固め、アブラハムは牡羊を、息子イサクは薪を背負って山頂へ赴き、祭壇上で息子イサクの喉元へ小刀を当てた(息子イサクも自分が犠牲であることを悟ったが抗わなかった)次の瞬間、「お前が神を恐れる者であることがわかった。」と神の祝福の御言葉が響き、「お前の子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る」とアブラハムが神から祝福を得る、旧約聖書に記された重要な場面≪イサクの犠牲≫である。本作では旧約聖書の記述とは異なり、アブラハムを制止する神の御言葉は、神の意志を伝道する天使の制止によって表現され、アブラハムの右手からこぼれ落ちる短刀が、本場面の緊迫した緊張感と瞬間の激動性を見事に表している。また画面下部から上部へ、横たわるイサク、息子イサクを抑えるアブラハムの左手、天使によって制止されるアブラハムの右手、アブラハムを制止する天使と、場面と動作が連なっており、この劇的な場面を類稀な躍動感と連動性によって示すほか、各登場人物に光彩を集中させることで激性を増すことにも成功している。
【制止に思わず振り返るアブラハム】
天使の制止に思わず振り返るアブラハム。レンブラントを代表する宗教画作品のひとつである本作は、父なる神によって命じられた難題を、絶対的で敬虔な忠誠心によって遂行しようとするアブラハムの姿≪イサクの犠牲≫を描いたものである。
【こぼれ落ちる短刀】
アブラハムの右手からこぼれ落ちる短刀。このアブラハムの右手からこぼれ落ちる短刀が、本場面の緊迫した緊張感と瞬間の激動性を見事に表している。
【押さえつけられる息子イサク】
押さえつけられる息子イサク。画面下部から上部へ、横たわるイサク、息子イサクを抑えるアブラハムの左手、天使によって制止されるアブラハムの右手、アブラハムを制止する天使と、場面と動作が連なっており、この劇的な場面を類稀な躍動感と連動性によって示している。
【アブラハムを制止する天使】
アブラハムを制止する天使。本作では旧約聖書の記述とは異なり、アブラハムを制止する神の御言葉は、神の意志を伝道する天使の制止によって表現されている。
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