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レンブラント (Rembrandt Harmensz, van Rijn)
2006/12/31掲載
【全体図】
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■
自画像
(Self-Portrait) 1658年頃
133.7×103.8cm | 油彩・画布 | フリック・コレクション
巨匠レンブラントの1650年代を代表する自画像作品のひとつ『自画像』。制作年を1658年と仮定するとレンブラントが52歳で手がけた自画像である本作は、画家が自身の自画像においてしばしばおこなった、歴史上の人物、又は聖人、哲学者などに扮して制作された自画像と考えられているも、人物の特定には至らず、今なお研究が続いている作品のひとつである。本作が制作された1658年頃は、レンブラントが資産運用の失敗や内縁の縺れから破綻し財産の競売が三度おこなわれた、画家の人生で最も経済的苦難を強いられた時期であるが、本作での画家は、恰も王族の衣服のような豪華な衣装に身を包み、手には銀の杖を、肩からは毛質の良い毛皮を羽織るという、非常に凛々しく雄雄しい姿で描かれている。また、その表情の中の瞳は真摯と厳しさを併せ持つ独特の力強さを感じさせ、真一文字に結んだ唇は、画家が本作に込めた意思や思想をより強調し、観る者に強く印象付ける。本作の解釈については扮する人物の特定がされない以上、決定的な根拠のある解釈とはならないものの、苦境に立たされた身の上でも画家としての誇りを失わず絵画の本質と真実に迫ることを示した自尊心的な解釈とする説や、演劇の登場人物に見立てた人生へのアイロニーを込めた皮肉的な解釈とする説など、様々な説が唱えられている。
【力強さを感じさせる画家の瞳】
真摯と厳しさを併せ持つ独特の力強さを感じさせる画家の瞳。本作が制作された1658年頃は、レンブラントが資産運用の失敗や内縁の縺れから破綻し財産の競売が三度おこなわれた、画家の人生で最も経済的苦難を強いられた時期であるが、画家が本作に込めた意思や思想は、観る者に強く印象付ける。
【恰も王族の衣服のような豪華な衣装】
あたかも王族の衣服のような豪華な衣装。本作の解釈については扮する人物の特定がされない以上、決定的な根拠のある解釈とはならないものの、苦境に立たされた身の上でも画家としての誇りを失わず絵画の本質と真実に迫ることを示した自尊心的な解釈とする説など、様々な説が唱えられている。
【左手で軽く握る銀の杖】
左手で軽く握る銀の杖。制作年を1658年と仮定するとレンブラントが52歳で手がけた自画像である本作は、画家が自身の自画像においてしばしばおこなった、歴史上の人物、又は聖人、哲学者などに扮して制作された自画像と考えられているも、人物の特定には至らず、今なお研究が続く作品のひとつである。
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