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ピーテル・パウル・ルーベンス (Rubens,Peter Paul)
2004/09/01掲載
【全体図】
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■
キリスト昇架
(Raising of the Cross) 1610-1611年
460×340cm(中央), 460×150cm(各翼) | 油彩・板 |
アントウェルペン大聖堂 (シント・ヴァルブルヒス区教会旧蔵)
王の画家にして画家の王ルーベンスがアントワープに戻って最初に手がけた大規模な祭壇画で、画家随一の代表作『キリスト昇架』。主題は題名が示すよう、十字架に掛けられるキリストを描いた≪十字架昇架≫で、やや伝統的様式の構図を取りながらも、
ミケランジェロ
の研究から会得した隆々しい肉体表現や、
ティントレット
を思わせる人物の複雑でうねりの示されるポーズや極端な短縮法を用いることによって、この巨大で重要な祭壇画に、それまで見られなかった劇的かつ感情豊かな効果をもたらした。シント・ヴァルブルヒス区教会の主祭壇画として描かれた本作であるが、同教会は現存せず、現在は『
キリスト降架
』と共にアントウェルペン大聖堂が所蔵している。
関連:
ルーベンス作『キリスト降架』
【十字架に掲げられるキリスト】
十字架に掲げられるキリスト。豊かな色彩、激しい感情表現などにイタリア留学でおこなった研究の成果が示されるこの構図は、
ティントレット
の作品に基づいていると研究されている。
【見つめる視線】
掲げられるキリストを見つめる視線。登場人物は一様に十字架へと掲げられるイエスを見つめ、本作によりリアリティと深い感情表現による感銘を与えている。
【劇的な効果を生み出す深い陰影】
劇的な効果を生み出す深い陰影。バロックらしい劇的な光の描き方を始め、当時のルーベンスの表現の全てが示される。またこの劇的な光彩表現は
カラヴァッジョ
の影響も指摘されている。
【力強く十字架を持ち上げる】
力強く十字架を持ち上げる人物。人間的躍動感に溢れる人物描写は
ミケランジェロ
による古典的表現の影響を感じさせ、超越的な本場面の緊張感を、一層盛り上げている。
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