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ハールレムの眺め (View of Haarlem) 1670年頃
62.2×52.2cm | 油彩・画布 | チューリヒ美術館(スイス) |
オランダ絵画史に燦然と輝く風景画の巨匠ヤゴブ・ファン・ライスダール後期の代表作『ハールレムの眺め』。高位置の視点からパノラマ的に描かれる本作は、画家の故郷ハールレムの雄大な風景で、寺院、水車、森林、道、沼地など画家お馴染みのモティーフが細密な描写によって描き込まれているほか、画面の半分以上を占める晴天の大気的な描写は観る者を圧倒するかのような勇壮さを示している。また沼地に落ちる影の深い青々とした描写や広がりを感じさせる大地の描写も特筆に値する。このような風景の表現は画家の最も得意とした表現手法のひとつで現在も数多く残されており、本作はライスダール後期における、その代表的な作例と言えよう。なおアムステルダム王立美術館にも同主題を描いた作品が所蔵されている。
関連:アムステルダム王立美術館所蔵 『ハールレムの眺め』
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