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ドゥールステーデに近いウェイクの風車
(Mill at Wijk bij Duurstede) 1670年頃
83×101cm | 油彩・画布 | アムステルダム国立美術館 |
17世紀オランダ絵画黄金期における風景画の大家ヤゴブ・ファン・ライスダール中期〜後期の代表作『ドゥールステーデに近いウェイクの風車』。本作に描かれるのはオランダのユトレヒト地方の街ウェイク・ベイ・ドゥールステーデを流れるレック河と風車のある風景で、何気ない単純な風景の中に、雲間から漏れる陽光や、それを反射する水面の斑など、ある種の緊張的な要素を組み込むことによって、画家独特の風景画の世界観を示している。このように風景画の中に明暗の陰影などによる劇的要素や物語性を感じさせる要素を取り入れた画家独自の様式による作品の中でも、この時代は特に優れた作品が数多く残されていることが知られており、多くの研究者は巨匠ライスダールの画業においてひとつ頂点の時代と見なしている。
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