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ピーテル・ヤンス・サーンレダム Pieter Jansz. Saenredam
1597-1665 | オランダ | オランダ絵画黄金期
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17世紀オランダ絵画黄金期に活躍した画家。挿絵の制作を通じ完成させた、教会の内部や外観を忠実に描く独自の絵画は、17世紀のオランダ絵画芸術において、全く新しいジャンルとその基礎を築いた。入念にスケッチを重ねてから手がける白地や灰色(又は薄い有彩色)を主体とした繊細で創造性豊かな教会の表現・描写は、建築の画家としてのサーンレダムの現代の評価を決定的なものとした。1597年、アッセンデルフトで版刻師ヤン・サーンレダムの息子として生まれ、1607年父ヤンの死後、母と共にハールレムに移住。同地で少なくとも1612年から1622年まで画家フランス・デ・フレッベルの工房で絵画を学ぶ。翌年、聖ルカ組合に加入。1628年に依頼されたサミュエル・アンプズィング著『ハールレム市の歴史と栄光』の挿絵制作以降はサーンレダム最大の功績となる教会の内外観を描いた絵画作品を手がける。また古典主義の建築家であったファン・カンペンや、数学者で地図製作者でもあったピーテル・ヴィルスらから透視図法(線遠近法)を学んでいることも画家の様式形成に関わる重要な要素のひとつである。サーンレダムは油彩画のほか、素描、ドローイングなども得意とし、数多くの作品が現存している。これらを含め現存する総作品数は約250点。1665年ハールレムで没、享年68歳。
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