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キリストの埋葬 (Cristo deposto nel sepolcro)
1613年 | 油彩・画布 | パルマ国立美術館 |
エミリア派の画家バルトロメオ・スケドーニの代表作『キリストの埋葬』。画家の最高傑作のひとつ『墓を訪れる三人のマリア』と同じくパルマの近郊フォンテヴォーヴォのカプチン会聖堂の祭壇画として掲げられていた本作の主題は、磔刑に処され死したイエスの亡骸を、ニコデモやアリマタヤのヨセフ、聖母マリアを始めとする諸聖人らがゴルゴタの丘の麓の岩墓へ埋葬する場面≪キリストの埋葬≫で、強烈な明暗対比と、埋葬される主イエスを中心にX字に配された登場人物の激しい運動性が大きな特徴のひとつである。スケドーニの個性的な様式である白布の輝くような光を帯びた描写は本作においても場面を印象深く劇的に盛り上げる重要な要素として機能している。また聖母マリアやマグダラのマリア、ニコデモ、アリマタヤのヨセフなどに示される中心に配された主イエスの遺体の周りでの、やや大げさな身振りによる激しい感情表現は主の死に対する悲哀をより強調しているほか、視覚的に喧噪など場面の臨場感を表現することにも成功している。なおパルマ近郊の修道院のために描かれた同主題の作品が1796年、ルーヴル美術館によって購入されている。
関連:ルーヴル美術館所蔵 『キリストの埋葬』
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