Description of a work (作品の解説)
2005/10/05掲載
Work figure (作品図)
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キリストの磔刑(サン・プラシドのキリスト)

 1631-1632年頃
(Cristo Crucificado (Cristo de San Placido))
248×169cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

スペイン最大となるバロックの画家ベラスケスを代表する宗教画『キリストの磔刑』。マドリッドのベネディクト会サン・プラシド修道院の依頼により制作されたため≪サン・プラシドのキリスト≫とも呼ばれる本作の主題は、それまで幾多の画家によって最も多く描かれてきた、ゴルゴダの丘で磔刑に処されるイエスを描いた≪磔刑≫で、セビーリャの伝統的な図像学に基づき、イエスの両足は重ねられることなく平行にされるほか、両手と合わせると合計四本の杭で打ちつけられている。暗中に輝きを放つイエスの表現は、鮮やかに描かれながらも、超自然的な存在感によって、全てを超越した≪神の子≫であることを示している。またイエスの姿が同時代に活躍した彫刻家ファン・マルティーネス・モンタニェースに酷似している点も興味深い点である。


【全体図】
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セビーリャの伝統的な図像学に基づき描かれるイエス。イエスの両足は重ねられることなく平行にされるほか、両手と合わせると、合計四本の杭で打ちつけられている。



【伝統的な図像学に基づくイエスの姿】
三種類の言語によって記されるイエスの罪状。この罪状は≪ナザレのイエス、ユダヤの王≫とイエスを嘲笑する言葉が記され、≪INRI≫と四文字に略式される場合も多い。



【三種類の言語で記されるイエスの罪状】

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