2007/04/09掲載
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レースを編む女(Kantklosster) 1670年頃23.9×20.5cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
俯き作業に没頭する黄色の衣服の女。これまでに発見されている画家の作品の中で最も寸法の小さい作品でもある本作に描かれるのは、当時としては描かれることの少なくない風俗的主題である≪レースを編む女≫である。
【俯き作業に没頭する黄色の衣服の女】
レースを編む女の繊細な手元。当時のフェルメールは全体の調和性を重んじていた作風から、自身の技巧的な顕示がみられる作風へと変化させていた過渡期であり、本作もその一例と位置付けられるものの、類稀な赤糸と白糸の表現によって、それらの作品とは決定的な魅力や完成度の差が生じている。
【レースを編む女の繊細な手元】
針山から垂れ下がる赤糸と白糸の驚くべき表現。まるで飴が溶け滴るかのように描写される流々とした二色の糸の描写は、それまでの作品にも示される画家の卓越した表現技巧の中でも特に秀逸な出来栄えであり、その斬新性や近代性は他作品の追随を許さない。
【赤糸と白糸の驚くべき表現】 |