Description of a work (作品の解説)
2011/05/03掲載
Work figure (作品図)
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キリストの哀悼(スクロヴェーニ礼拝堂壁画連作)


(Compianto su Cristo morto) 1304-1306年
200×185cm | フレスコ | スクロヴェーニ礼拝堂(パドヴァ)

14世紀イタリアで活躍したゴシック期の大画家ジョット・ディ・ボンドーネの最重要作品群スクロヴェーニ礼拝堂壁画連作より『キリストの哀悼』。本作はパトヴァの銀行家の子息エンリコ・スクロヴェーニが建立したサンタ・マリア・アヌンツィアータ聖堂(通称アレーナ礼拝堂)の壁面装飾として同氏からの依頼により制作された、ヨアキム伝、聖母マリア伝、キリストの生涯、善徳の寓意像、悪徳の寓意像、最後の審判から構成される宗教画群の中の1点で、キリストの生涯第21場面≪死せるキリストへの哀悼≫を主題とした作品である。本作の主題であるキリストの哀悼はユダヤの民を扇動したとして磔刑に処された受難者イエスの亡骸を聖母マリアやマグダラのマリア、聖ヨハネ、アリマタヤのヨセフ、ニコデモらが囲みながら嘆き悲しむ場面で、本作では画面下部左側に死したイエスの亡骸を抱き悲哀の表情を浮かべる聖母マリアが配されている。さらに本作では受難者イエスの対角線を為すかのように岩山が描き込まれており、その途中(画面ほぼ中央)では聖ヨハネが両腕を大きく広げ主イエスの死に絶望する姿が、さらに山頂となる画面右上には一本の枯れた樹木が配されており、そこから続く上空の天使らへと画面内で見事な視線誘導の施策が講じられている。この空間構成は名高いスクロヴェーニ礼拝堂壁画連作の中でも特に優れた出来栄えを示しており今も観る者を魅了する。また本作でもうひとつ注目すべき点として、登場人物の感情に富んだ表情の多様性にある。特に聖母マリアの我が子の結末を目撃し溢れ出す感情を噛み殺すかのような口元の表現やイエスを見つめる深い視線の感情描写にはジョットの絵画表現の真骨頂を見出すことができる。


【全体図】
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受難者イエスを抱き寄せる聖母マリア。本作の主題であるキリストの哀悼はユダヤの民を扇動したとして磔刑に処された受難者イエスの亡骸を聖母マリアやマグダラのマリア、聖ヨハネ、アリマタヤのヨセフ、ニコデモらが囲みながら嘆き悲しむ場面で、本作では画面下部左側に死したイエスの亡骸を抱き悲哀の表情を浮かべる聖母マリアが配されている。



【イエスを抱き寄せる聖母マリア】
両腕を広げ絶望する聖ヨハネ。聖母マリアの我が子の結末を目撃し溢れ出す感情を噛み殺すかのような口元の表現やイエスを見つめる深い視線の感情描写にはジョットの絵画表現の真骨頂を見出すことができる。



【両腕を広げ絶望する聖ヨハネ】
視線誘導を担う山頂の枯れた木。本作では受難者イエスの対角線を為すかのように岩山が描き込まれており、その途中(画面ほぼ中央)では聖ヨハネが両腕を大きく広げ主イエスの死に絶望する姿が、さらに山頂となる画面右上には一本の枯れた樹木が配されており、そこから続く上空の天使らへと画面内で見事な視線誘導の施策が講じられている。



【視線誘導を担う山頂の枯れた木】

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