Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
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荘厳の聖母(オニサンティの聖母)


(Madonna in Maesta (Ognissanti Madonna)) 1306-10年頃
325×204cm | テンペラ・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

全ての西洋絵画の祖ジョット・ディ・ボンドーネの傑作『荘厳の聖母』。元々はフィレンツェのオニサンティ聖堂の主祭壇画として制作された本作は、玉座に聖母マリアと幼子イエスを描き、その左右に複数人の聖人を配する祭壇画(宗教画)独特の図式≪聖会話≫を主題とする祭壇画の原型になった作品であると共に、西洋絵画の祖と称されるジョットを研究する上での基準作品ともなっており、西洋美術史上最も重要な作品のひとつとして広く認知されている。中央の玉座に描かれた荘厳な聖母マリアは、それまでの平面(様式)的に描かれることが通常であった聖母子像から、画家は劇的なまでに聖母と幼子イエスの内面性まで深く表現されている。さらに周囲に集まる聖者たちに祝福のポーズで応える幼子イエスは、過去の絵画様式とは全く異なり、威厳の中にもキリストの神秘性と不可侵性を表現している。また本作には教会堂建築が主で、リブ-ボールト(肋骨穹窿)・バットレス(控え壁)・尖頭アーチを構成要素とし、広い窓、高い尖塔や尖頭アーチなどの垂直線から生じる、強い上昇効果を特徴とした12世紀中頃北フランスに始まる一大様式で、数十年の後に諸外国へ伝達し、それぞれの国で独自の発展を遂げた≪ゴシック様式≫の美が明確に示されている。


【全体図】
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中央の玉座に描かれた荘厳な聖母マリア。それまでの平面(様式)的に描かれることが通常であった聖母子像から、画家は劇的なまでに聖母と幼子イエスの内面性まで深く表現している。



【荘厳な聖母マリア】
周囲に集まる聖者たちに祝福のポーズで応える幼子イエスは、過去の絵画様式とは全く異なり、威厳の中にもキリストの神秘性と不可侵性を表現している。



【神秘性際立つ幼子イエス】
ゴシック様式の美しい装飾。本作には12世紀中頃北フランスに始まる一大様式で、数十年の後に諸外国へ伝達し、それぞれの国で独自の発展を遂げた≪ゴシック様式≫の美が明確に示されている。



【ゴシック様式の美しい装飾】

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