2007/07/26掲載
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オーケストラ席の音楽家たち(オーケストラの楽士たち)(Musiciens à l'orchestre) 1870-72年頃(1874-76年加筆) 69×49cm | 油彩・画布 | フランクフルト市立美術研究所
舞台上でお辞儀するプリマのバレリーナ。本作は1860年代後半からファゴット(木管楽器のひとつ)奏者デジレ・ディオとの交友によってオペラや舞台の雰囲気に強い興味を示すようになったドガがその情景を描いた作品のひとつである。
【舞台上でお辞儀するバレリーナ】
わずがに横顔が見えるヴァイオリン奏者。本作では画面ほぼ中央から上下に舞台と演奏場が明確に分かれた(観客席から見た視点のような)非常に奇抜的な構図が用いられており、画面下部の極めて近接的な前景に描かれる演奏者たちの描写は肖像画のような趣を携えている。
【横顔が見えるヴァイオリン奏者】
チェロ奏者とオーボエ奏者の後姿。人工的な輝きを放つプリマ(第一)バレリーナが身に着けた衣装などの表現が示す近代性、奇抜性、幻惑性、そして平面性などは、画家の近代(とそこに置かれる絵画情勢)に対する鋭い考察と観察による独自的解釈の表れでもある。
【チェロ奏者とオーボエ奏者の後姿】 |