2009/07/03掲載
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叫び声(Appel) 1902年130×90cm | 油彩・画布 | クリーヴランド美術館
意味深げに観る者へと視線を向ける女性。画面中央にはふたりの女性が配されており、画面ほぼ中心に位置する衣服を身に着けた女性は意味深げに視線を本作を観る者へと視線を向けている(※これはゴーギャンへと向けられた視線と解釈することもできる)。
【観る者へと視線を向ける女性】
象徴的に配される白い花。本作を構成する人物、植物、木々、地面などはゴーギャンの他の作品にも登場する要素であり、画家自身による過去の作品の再構成的側面としても捉えることができる(画家はこのような構成要素の流用を多用している)。
【象徴的に配される白い花】
赤い実をつけた幹の太い樹木。これまでの作品にも登場した赤々とした大地と自然が残る遠景の緑色との色彩的対比は観る者にどこか現実離れした厭世的かつ同地への同調な精神性を感じることができ、晩年期におけるゴーギャンの内面性が滲み出ているかのようである。
【赤い実をつけた幹の太い樹木】 |