2009/04/12掲載
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アルルの病院の庭にて(アルルの老女たち)(Dans le jardin de l'hôpital d'Arles) 1888年 73×92cm | 油彩・画布 | シカゴ美術研究所
紺色の郷土的な衣服を身に着けるアルルの婦人。近景には2人のやや年齢の高い婦人がほぼ同様の姿態で描かれており、特に顔が明確に描かれる左側の婦人は南仏アルル駅前にあったカフェ・ド・ラ・ガールの主人の妻マリー・ジヌー夫人であることが明白である。
【紺色の郷土的な衣服を身に着ける婦人】
ミストラル避けの藁に覆われた糸杉の若木。本作で最も注目すべき点は総合主義の典型的表現手法であるクロワゾニスム(輪郭線で囲んだ平坦な色面によって対象を構成する表現描写)による様式的アプローチと、日本趣味からの影響を感じさせる非遠近的表現にある。
【北風避けの藁に覆われた糸杉の若木】
平面的かつ装飾的に表現された柵。前景の茂み、柵、人物、糸杉、遠景の緩やかに曲がる小道、そして画面右上の池など構成要素のほぼ全てが明瞭な輪郭線と大胆な色彩を用いた色面によって平面的に描写されている。
【平面的かつ装飾的に表現された柵】 |