Description of a work (作品の解説)
2009/09/07掲載
Work figure (作品図)
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日本趣味 : 花魁

 (Japonaiserie : figure) 1887年
105×61cm | 油彩・画布 | ファン・ゴッホ美術館

後期印象派の偉大なる画家フィンセント・ファン・ゴッホの日本趣味への傾倒が顕著に示される代表的作例のひとつ『日本趣味 : 花魁』。本作は19世紀前半(江戸時代後期)に活躍した美人画で名高い浮世絵師、渓斎英泉による花魁図≪雲龍打掛の花魁≫をゴッホが模写した作品である。ゴッホは弟テオの会社が発刊した雑誌パリ・イリュストレの1886年5月号(日本特集号)表紙に縮小掲載された≪雲龍打掛の花魁≫を見て本作を手がけたと考えられており、同時期の代表作『タンギー爺さんの肖像(ジュリアン・タンギーの肖像)』の背景にも同浮世絵の模写が描き込まれている。画面中央に配される花魁の姿は原図をほぼ踏襲しているものの、そこに用いられる色彩はある種のけばけばしさを感じさせるほど大胆な配色が施されている。これらは原図を始めとした様々な浮世絵から着想を得たゴッホの日本趣味(ジャポニズム)に対する色彩的印象そのものであり、その独自的解釈と表現は今も観る者を魅了する。また≪雲龍打掛の花魁≫の背景として描かれる画面左側の大鷺(ダイサギ)は佐藤虎清(又は一圓斎芳丸)による≪芸者≫から、画面下部の蛙は葛飾北斎による≪北斎漫画≫からの引用であると推測されている(※画面右側の竹林はパリ・イリュストレに掲載されていた作者不明の作品を写したと推測されている。


【全体図】
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渓斎英泉による花魁図≪雲龍打掛の花魁≫。本作は19世紀前半(江戸時代後期)に活躍した美人画で名高い浮世絵師、渓斎英泉による花魁図≪雲龍打掛の花魁≫をゴッホが模写した作品である。



【渓斎英泉による雲龍打掛の花魁】
大胆な配色による着物の描写。ゴッホは弟テオの会社が発刊した雑誌パリ・イリュストレの1886年5月号(日本特集号)表紙に縮小掲載された≪雲龍打掛の花魁≫を見て本作を手がけたと考えられており、同時期の代表作『タンギー爺さんの肖像』の背景にも同浮世絵の模写が描き込まれている。



【大胆な配色による着物の描写】
他の作品から着想を得た背景。≪雲龍打掛の花魁≫の背景として描かれる画面左側の大鷺(ダイサギ)は佐藤虎清(又は一圓斎芳丸)による≪芸者≫から、画面下部の蛙は葛飾北斎による≪北斎漫画≫からの引用であると推測されている



【他の作品から着想を得た背景】

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