Description of a work (作品の解説)
2008/07/11掲載
Work figure (作品図)
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デュブール家の人々

 (La Famille Dubourg) 1878年
146.5×170.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

19世紀のフランスや英国(イギリス)において人気を博したサロン画家アンリ・ファンタン=ラトゥールの代表作『デュブール家の人々』。1878年のサロンに出品された本作はファンタン=ラトゥールの妻ヴィクトリア・デュブールとその家族≪デュブール家の人々≫を描いた集団肖像画(家族肖像画)である。画面左側から白いドアの前に立つ帽子を被った女性(婦人)が義理の妹となるシャルロット・デュブール、画面中央で椅子に座るのが義母デュブール夫人、その後ろで母の肩に手をかけるのが画家の妻ヴィクトリア・デュブール、そして画面右側で椅子に座る紳士が義父デュブール氏と四人の人物が描かれる本作では、全ての人物が黒色の衣服を身に着けているが、これは画家が人物らを配しておこなった最初のデッサンが11月1日と万聖節(全聖人と殉教者に対する記念日)であるために喪服であることを安易に推察することができる。抑制的な色彩や堅牢な画面展開、厳格な空間構成など本作にはファンタン=ラトゥールの最も大きな特徴となる表現様式が顕著に示されており、この伝統性を重んじながらも19世紀絵画特有の新鮮さも同時に兼ね備える画家の作風は、印象派が隆盛を極める以前では非常に高く評価されていた。なお画家はデュブール家の人々の単身肖像画も複数制作しており、オルセー美術館には義理の妹シャルロット・デュブールを描いた肖像画『シャルロット・デュブール』が所蔵されている。

関連:オルセー美術館所蔵 『シャルロット・デュブール』


【全体図】
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義理の妹シャルロット・デュブール。1878年のサロンに出品された本作はファンタン=ラトゥールの妻ヴィクトリア・デュブールとその家族≪デュブール家の人々≫を描いた集団肖像画である。



【義理の妹シャルロット・デュブール】
画家の義母デュブール夫人。本作では全ての人物が黒色の衣服を身に着けているが、これは画家が人物らを配しておこなった最初のデッサンが11月1日と万聖節であるために喪服であることを安易に推察することができる。



【画家の義母デュブール夫人】
画家の妻ヴィクトリア・デュブール。抑制的な色彩や堅牢な画面展開、厳格な空間構成など本作にはファンタン=ラトゥールの最も大きな特徴となる表現様式が顕著に示されている。



【画家の妻ヴィクトリア・デュブール】
画家の義父となるデュブール氏。伝統性を重んじながらも19世紀絵画特有の新鮮さも同時に兼ね備える画家の作風は、印象派が隆盛を極める以前では非常に高く評価されていた。



【画家の義父となるデュブール氏】

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