2008/05/18掲載
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エプト湖畔の朝靄(Brume de matin l'Epte) 1900年代80×64cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(フランス) 【朝靄がかかるエプト湖畔の小道】
やや荒々しく大きめの筆触。風景処理は印象派の巨匠クロード・モネ晩年期の様式的特徴と類似するものの、湿度を感じさせる独特の大気表現、生物的な印象すら感じさせる中景の木々の描写にはギュスターヴ・ロワゾーの優れた個性と画才を見出すことができる。
【やや荒々しく大きめの筆触】
モノトーン的かつ抑制的な色調。画面奥へと向かうに従い、薄っすらと光が満ちてくる独特の表現や、深く影が落ちる画面最前景の木々と中・遠景の木々の光度的対比、静謐な雰囲気が支配する画面全体から醸し出される物語的な詩情性や幻想性などは本作の大きな魅力のひとつである。
【モノトーン的かつ抑制的な色調】 |