2007/08/12掲載
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キアサージ号とアラバマ号の海戦(Combat du "Kearsarge" et de l'"Alabama") 1864年 134×127cm | 油彩・画布 | フィラデルフィア美術館
砲撃され撃沈される巡洋艦アラバマ号。1872年のサロン入選作品である本作に描かれるのは、1864年、フランス北西部、イギリス海峡に突き出すコタンタン半島先端に位置する港湾都市シェルブールの沖で、北部連合の軽巡洋艦キアサージ号が南部連盟の巡洋艦アラバマ号を撃沈する海戦の場面である。
【砲撃され撃沈される巡洋艦アラバマ号】
高まる波で荒々しく描き出されるシェルブール沖の海上。本作はマネがサロンへの入選を目指して(目的として)描かれた歴史画であるが(サロンの審査委員会は風俗的な画題より歴史画などに興味を示していた)、うまく描写的誇張を示しながらも、真実性に溢れた表現は批評家たちからも賞賛された。
【荒々しく描き出される海上】
本海戦を見るため、海上へ押し寄せる多数。正方形よりやや縦長の画面に描かれるシェルブール沖の海上を高まる波で荒々しく描き出すことによって、砲撃され撃沈される巡洋艦アラバマ号の迫力をより一層効果的に見せている。
【海戦を見るため海上へ押し寄せる多数】 |