Description of a work (作品の解説)
2007/07/27掲載
Work figure (作品図)
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睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋)


(La bassin aux nymphéas ;harmonie rose) 1900年
89.5×100cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネが、睡蓮の制作に本格的に取り組み始めた1899年〜1900年頃の作品群のひとつ『睡蓮の池』より『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋)』。本作は個展などの成功により経済的にゆとりを持てるようになったモネが、パリ西方約80km郊外のジヴェルニーで購入した自宅兼アトリエに建造した庭の池と、そこに咲く草花や睡蓮を描いた画家の1890年代以降を代表する作品のひとつでもあり、本作に用いられる構図や画面構成に歌川広重の版画『名所江戸百景 亀戸天神境内』からの影響が多くの研究者から指摘されている。本作では太陽の移り変わりによって様々に変化させる色彩が、モネの驚くべき眼と、大ぶりな筆触や色彩分割による表現手法よって見事に表現されている。特にモネの大きな個性となっている一見、非現実的な色彩感覚は、造園した庭に池の木々や池、そこに浮かぶ睡蓮、水面に映る影の表現をより一層、表情豊かなものにしている。本作以外にもモネは、ほぼ同一の展開によるボストン美術館の『睡蓮の池』や構図は同一ながら描かれた時間が異なるオルセー美術館の『睡蓮の池、緑の調和』、やや縦長の画面によるメトロポリタン美術館所蔵の『睡蓮の池』など同一の画題を扱った作品が数多く手がけている。なおモネは本作品群の制作から約20年後、白内障により視力を失いながらも、『日本風太鼓橋』としてこの太鼓橋を再度描いている。

関連:歌川広重作 『名所江戸百景 亀戸天神境内』
関連:オルセー美術館所蔵 『睡蓮の池、緑の調和』
関連:ボストン美術館所蔵 『睡蓮の池』
関連:メトロポリタン美術館所蔵 『睡蓮の池』
関連:マルモッタン美術館所蔵 『日本風太鼓橋』


【全体図】
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造園した庭の池に架かる日本風の太鼓橋。本作は個展などの成功により経済的にゆとりを持てるようになったモネが、パリ西方約80km郊外のジヴェルニーで購入した自宅兼アトリエに建造した庭の池と、そこに咲く草花や睡蓮を描いた画家の1890年代以降を代表する作品のひとつである。



【庭の池に架かる日本風の太鼓橋】
大ぶりな筆触や色彩分割による表現手法。本作では太陽の移り変わりによって様々に変化させる色彩が、モネの驚くべき眼と印象主義的表現手法よって見事に表現されており、特に一見、非現実的な色彩感覚は、それらをより一層、表情豊かなものにしている。



【色彩分割による表現手法】
水面に浮かぶ睡蓮の豊かな色彩。本作に用いられる構図や画面構成に歌川広重の版画『名所江戸百景 亀戸天神境内』からの影響が多くの研究者から指摘されているほか、本作以外にもモネは同一の画題を扱った作品が数多く手がけている。



【水面に浮かぶ睡蓮の豊かな色彩】

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