Description of a work (作品の解説)
2008/07/10掲載
Work figure (作品図)
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社交パーティー


(Le Rendez-vous Mondain) 1875-1880年頃
50.0×100.0cm | 油彩・板 | 個人所蔵(日本)

近代絵画の先駆的存在ともなった、19世紀フランスで活躍した異色の画家アドルフ・モンティセリの最も典型的な作例のひとつ『社交パーティー』。1875年から1880年頃に制作されたと推測される本作は、モンティセリが想像の上で描いた宴の場面である。モンティセリは若い頃、ルーヴル美術館でロココ美術の≪雅宴画≫の創始者アントワーヌ・ヴァトーの作品の模写をおこなうなどヴァトーの研究に没頭しており、本作でも≪雅宴画≫の影響が示されている。画面の中央から右側には酒盃を掲げる緑色のドレスを着た婦人とそれに寄り添う男、椅子に座る二人の婦人、二匹の犬、若い男(又は女)が配されており、そして画面右部分奥のバルコニーには男性が二人描かれている。画面左側には団扇を持ちながら子犬に手を伸ばす黄色のドレスを身に着けた婦人と、鮮やかな赤い衣服を身に着けた男女、濃緑色の衣服を着た従者、さらに左端に酒盃を掲げる男女一組が描かれており、その背後には薔薇らしき花が咲いている。登場する人物は何れも優雅な身のこなしで軽やか(かつ自然体)に描かれており、本宴の穏健で雅な雰囲気をより的確に感じさせる。さらにモンティセリの最も特徴的な個性である荒々しく大ぶりな筆触と感情性を感じさせる鮮やかな原色の使用は観る者の目を奪うばかりである。本作の制作意図や目的は現在も不明であるものの、情感豊かな詩情性と、中央に青色を配し適度に斬新性を感じさせる絶妙な色彩構成、登場人物たちの優美な運動性などはモンティセリの作品の中でも特に秀逸の出来栄えを示している。


【全体図】
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酒盃を掲げる若い婦人と寄り添う男。1875年から1880年頃に制作されたと推測される本作は、モンティセリが想像の上で描いた宴の場面で、登場する人物は何れも優雅な身のこなしで軽やか(かつ自然体)に描かれており、本宴の穏健で雅な雰囲気をより的確に感じさせる。



【酒盃を掲げる若い婦人と寄り添う男】
鮮やかな色彩によって描かれる登場人物。モンティセリは若い頃、ルーヴル美術館でロココ美術の≪雅宴画≫の創始者アントワーヌ・ヴァトーの作品の模写をおこなうなどヴァトーの研究に没頭しており、本作でも≪雅宴画≫の影響が示されている。



【鮮やかな色彩によって描かれる人物】
画面の左側に配された薔薇の花。本作の情感豊かな詩情性と、中央に青色を配し適度に斬新性を感じさせる絶妙な色彩構成、登場人物たちの優美な運動性などはモンティセリの作品の中でも特に秀逸の出来栄えを示している。



【画面の左側に配された薔薇の花】

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