2007/12/03掲載
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ブージヴァルの庭のウジェーヌ・マネと娘(田舎にて)(Eugène Manet et sa fille au jardin) 1881年 73×92cm | 油彩・画布 | マルモッタン美術館(パリ)
娘ジュリーを見守る夫ウジェーヌ・マネ。1882年に開催された第七回印象派展に出品された本作に描かれるのは、パリ郊外セーヌ河沿いのブージヴァルのプランセス通り4番地に借りた別荘の庭で、街の模型で遊ぶ娘ジュリーと、それを見守る夫ウジェーヌ・マネの姿である。
【娘ジュリーを見守る夫ウジェーヌ・マネ】
父の膝の上に置かれた街の模型で遊ぶ娘ジュリー。モリゾ独特の自由奔放かつ躍動感に富んだ力強い筆触による各部分の描写も、本作をより魅力的に見せる大きな要因であり、このような場面を見ている画家の心情を表しているかのようである。
【街の模型で遊ぶ娘ジュリー】
美しく庭に咲く花々の明瞭な色彩。。娘ジュリーは父の膝の上に置かれた街の模型で遊び、父ウジェーヌはそれを優しく見守る。この何気ない日常の場面の中にモリゾは明らかに満ち足りた幸福と充実感を感じており、それは本作に描かれる美しく庭に咲く花々の明瞭な色彩や、家族の温もりを感じさせる(作品全体から醸し出される)雰囲気に見出すことができる。
【美しく庭に咲く花々の明瞭な色彩】 |