2007/09/14掲載
■
モリゾ夫人とその娘ポンティヨン夫人(読書)1869-70年(Portrait de Mmo Morisot et de sa fille Mmo Pontillon) 101×81.8cm | 油彩・画布 | National Gallery (Washington)
本を読む画家の母親。1870年のサロン(官展)のために制作された本作に描かれるのは、椅子に腰掛け読書する画家の母親(モリゾ夫人)と、それを空虚な眼差しで見つめるベルト・モリゾの姉エドマ(ポンティヨン夫人)の姿で、画家の母親が本を読む姿から別名『読書』とも呼称されている。
【本を読む画家の母親】
姉エドマの憂いを帯びたやや寂しげで物思い耽るような表情。このモリゾ独特の女性の控えめでありながら不安感を募らせる繊細な表現は、師エドゥアール・マネの描く女性像とは決定的に異なっており、この頃のモリゾの作品へ最も顕著に示される独自性のひとつである。
【やや寂しげで物思い耽るような表情】 【左手薬指にはめられる指輪】 |