2008/10/21掲載
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ル・トロカデロからのパリの眺望1871-72年(Vue de Paris des hauteurs du Trocadéro) 46.1×81.5cm | 油彩・画布 | サンタ・バーバラ美術館
都会的な装いの姉エドマとイヴ。本作は画家の実家から程近い場所にあるル・トロカデロの高台から見たパリの眺望を描いた作品で、画面の倍加された縦横の比率や、どこか控えめで寂しげな印象を受ける独特の詩情性にはコローの影響が指摘されている。
【都会的な装いの姉エドマとイヴ】
パリの街並みを眺めるイヴの愛娘ポール。中景には平面的な表現で単純化された鮮やかな緑の広場と、そこを通る道が広がっており、さらに遠景には陽光が反射し黄金に輝く廃兵院(アンヴァリッド)の丸天井(円蓋)やノートル・ダム聖堂などが明確に描き込まれている。
【パリの街並みを眺めるポール】 陽光が反射し黄金に輝く廃兵院の丸天井(円蓋)。都会的で洗練された雰囲気や早い筆さばきによる筆触、鮮やかな色彩の使用などには同時代を代表する画家であり、師弟関係以上の(恋愛的な)感情を抱いていたとも推測されるエドゥアール・マネの影響を容易に見出すことができる。
【黄金に輝く廃兵院の丸天井(円蓋)】 |