Description of a work (作品の解説)
2007/09/11掲載
Work figure (作品図)
■ 

帽子を被った農家の若い娘


(Jeune paysanne au chapeau) 1881年
73.4×59cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

印象派の巨匠カミーユ・ピサロ探求の時代の代表的作品のひとつ『帽子を被った農家の若い娘』。1882年に開催された第七回印象派展に出品された本作に描かれるのは、ピサロがその生涯中にたびたび描いてきた≪農民≫の姿で、表現手法に古典的造形の形成への回帰を感じさせるのが大きな特徴である。質量に富んだ短く闊達な筆触で描写される麦藁帽子を被った農家の娘は、労働による疲労(疲弊)を全く感じさせない穏やかで生命的な表情を浮かべている。ピサロは画業の初期にこそ写実主義の画家ジャン=フランソワ・ミレーのような労働に勤しむ慎ましく質素な農民の姿を風景の中に描き込んでいたものの、次第に農民の簡素ながら生命的な姿そのものに関心を示し始め、それを画題の重要なモティーフとして表現するようになる。本作はその典型的な作品の一例であり、この娘や背後の自然風景の表現は画家の作品の中でも特に優れた出来栄えを示している。また明瞭な陽光によって多彩な表情を見せる風景の色彩描写も本作の最も魅力的な点であり、その輝きを帯びながら大地に力強く生える草々や樹木、そして樹木に茂る枝葉の印象的な表現は今なお多くの人々を惹きつける。


【全体図】
拡大表示
穏やかで生命的な表情を浮かべる農民の娘。1882年に開催された第七回印象派展に出品された本作に描かれるのは、ピサロがその生涯中にたびたび描いてきた≪農民≫の姿で、表現手法に古典的造形の形成への回帰を感じさせるのが大きな特徴である。



【生命的な表情を浮かべる農民の娘】
古典的造形の形成への回帰を感じさせる表現。質量に富んだ短く闊達な筆触で描写される麦藁帽子を被った農家の娘は、労働による疲労(疲弊)を全く感じさせない穏やかで生命的な表情を浮かべている。



【古典的造形への回帰を感じさせる表現】
明瞭な陽光によって多彩な表情を見せる枝葉。明瞭な陽光によって多彩な表情を見せる風景の色彩描写も本作の最も魅力的な点であり、その輝きを帯びながら大地に力強く生える草々や樹木、そして樹木に茂る枝葉の印象的な表現は今なお多くの人々を惹きつける。



【多彩な表情を見せる枝葉の描写】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ