Description of a work (作品の解説)
2007/07/30掲載
Work figure (作品図)
■ 

ラ・ロッシュ=ギュイヨンの広場

 1867年
(Une place à La Roche-Guyon)
50×61cm | 油彩・画布 | ベルリン国立美術館

印象主義随一の画家カミーユ・ピサロ1860年代の代表作『ラ・ロッシュ=ギュイヨンの広場』。本作は1867年に画家仲間であるアントワーヌ・ギュメから誘われラ・ロッシュ=ギュイヨンに赴いたときに制作された作品で、パレットナイフを用いた平面での構成的な展開が大きな特徴のひとつである。写実主義の巨人ギュスターヴ・クールベの影響が顕著な本作のパレットナイフによる描写は、大きく荒々しいタッチによって絵具の質感を満ち溢れるほどに含み、ラ・ロッシュ=ギュイヨンの広場の冬景色の独特の雰囲気を見事に表現している。また本作の平面的な構成や色彩展開は、カミーユ・ピサロと強い親交を持っていたポール・セザンヌの影響を感じさせる。特に家々の各壁面の独自性を保つ配置や多角的な捉え方、上空の曇った空模様のゴツゴツとした表現は特筆に値する。なお印象主義の画家と所縁の深い小説家兼批評家エミール・ゾラは本作を見た際、「つまらないサロンがおこなわれる中、あなたのこのような作品に出会えたことは心から祝辞を述べたい。あなたはまだ無名です。またあなたの作品は実直過ぎで、不器用故に、大変な困難が待っているでしょう。しかし私は、あなたの生真面目で真実味に溢れた、厳格な意思を感じさせる作品を評価します。」と好意的な言葉を残している。


【全体図】
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ラ・ロッシュ=ギュイヨンの広場を行き交う人々。本作は1867年に画家仲間であるアントワーヌ・ギュメから誘われラ・ロッシュ=ギュイヨンに赴いたときに制作された作品で、パレットナイフを用いた平面での構成的な展開が大きな特徴のひとつである。



【広場を行き交う人々】
各壁面の独自性を保つ配置や多角的な捉え方。カミーユ・ピサロと強い親交を持っていたポール・セザンヌの影響を感じさせる平面的な構成や色彩展開、特に家々の各壁面の独自性を保つ配置や多角的な捉え方、上空の曇った空模様のゴツゴツとした表現は特筆に値する。



【各壁面の独自性を保つ配置】
上空の曇った空模様のゴツゴツとした表現。写実主義の巨人ギュスターヴ・クールベの影響が顕著な本作のパレットナイフによる描写は、大きく荒々しいタッチによって絵具の質感を満ち溢れるほどに含み、ラ・ロッシュ=ギュイヨンの広場の冬景色の独特の雰囲気を見事に表現している。



【上空の曇った空模様の表現】

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