Description of a work (作品の解説)
2007/06/18掲載
Work figure (作品図)
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パリのポン・ヌフ

 (Port-Neuf, Paris) 1902年
65×81cm | 油彩・画布 | ひろしま美術館(広島)

印象派の巨匠カミーユ・ピサロ晩年を代表する作品のひとつ『パリのポン・ヌフ』。画家が1900年から使用していたポン・ヌフのアトリエで制作された本作は、田園派と呼ばれた画家としては新鮮な都会的な画題となる、パリに現存する最古の橋≪ポン・ヌフ≫を描いた作品である。1880年代の探求の時代を経て辿り着いた印象主義の画題への回帰として、かつてクロード・モネルノワールがしばしば手がけたパリの景観(風景)をピサロが描いた本作では、大ぶりで荒々しいピサロ独特の筆触によって、セーヌ川にかかるポン・ヌフとそこを行き交う人々、そしてサマリテーヌ百貨店が見える対岸が横長の画面に描き込まれている。どんより雲がかかった空模様の中、移り変わる天候が織り成す光の動きやその効果を繊細かつ大胆に表現されるポン・ヌフの風景やセーヌ川の描写は1900年代のピサロ作品の特徴を良く示している。また色彩においても、全体的にグレイッシュな色彩・色調の中に差し色的な馬車の赤褐色を置くことによって都会的な雰囲気を描き出すことに成功している。なおピサロは≪ポン・ヌフ≫を連作的に描いており、本作以外にも12点≪ポン・ヌフ≫を描いた作品が確認されている。


【全体図】
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セーヌ川沿いに建つ建築物。画家が1900年から使用していたポン・ヌフのアトリエで制作された本作は、田園派と呼ばれた画家としては新鮮な都会的な画題となる、パリに現存する最古の橋≪ポン・ヌフ≫を描いた作品である。



【セーヌ川沿いに建つ建築物】
ポン・ヌフを行き交う人々。大ぶりで荒々しいピサロ独特の筆触によって、セーヌ川にかかるポン・ヌフとそこを行き交う人々などが横長の画面に描き込まれる本作は、1880年代の探求の時代を経て辿り着いた印象主義の画題への回帰として画家がパリの景観(風景)を描いた作品のひとつである。



【ポン・ヌフを行き交う人々】
鈍く光を反射するセーヌ川。どんより雲がかかった空模様の中、移り変わる天候が織り成す光の動きやその効果を繊細かつ大胆に表現されるポン・ヌフの風景やセーヌ川の描写は1900年代のピサロ作品の特徴を良く示している。



【鈍く光を反射するセーヌ川】

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