2009/01/05掲載
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フェルナンド・サーカスの曲芸師たち(ふたりのサーカスの少女)(Au Cirque Fernando) 1879年131.5×99.5cm | 油彩・画布 | シカゴ美術館
観客に挨拶をする少女の姿。本作は印象派の先駆者のひとりエドガー・ドガと共にしばしば訪れていた、当時、人気の高かったパリのロシュシュアール大通りに店を構えるサーカスの団長(オーナー)フェルナンド・ワルテンベルクのふたりの娘フランチェスカとアンジェリーナの愛らしい姿を描いた作品である。
【観客に挨拶をする少女の姿】
両手いっぱいに抱えられたオレンジ。画面の中央から左右に演技を終えたフランチェスカとアンジェリーナが配されており、一方(左側)は観客に挨拶の仕草を見せ、もう一方は演技に使用したオレンジを両手いっぱいに抱えている。
【両手いっぱいに抱えられたオレンジ】
やや厚塗りされる豪華な金色の刺繍。本来ならば床面に落ちるであろう陰影を全く描かず、多様的で輝くようなフランチェスカとアンジェリーナの衣服の色彩と黄土色の床の暖色的な調和性は観る者に心地よい色彩のリズムを感じさせる。
【やや厚塗りされる豪華な金色の刺繍】 |