Description of a work (作品の解説)
2007/09/30掲載
Work figure (作品図)
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桟敷席

(La Loge) 1874年
80×64cm | 油彩・画布 | コートールド・ギャラリー(ロンドン)

印象派の大画家ピエール=オーギュスト・ルノワール初期の重要な代表作『桟敷席』。1874年の第一回印象派展に出品され、批評家たちから好評を博した数少ない作品の中の一点である本作に描かれるのは、当時の女性らが最も華やかに映える場所のひとつであった劇場の≪桟敷席(劇場で正面に対して一段高く設けられた左右の席)≫での男女の姿で、ルノワール初期の表現様式が良く表れている。「鼻ぺちゃ」とも呼ばれた当時の画家お気に入りのモデルであるニニ・ロペズと、ルノワールの弟エドモンをモデルに描かれる本作で最も注目すべき点は、白黒を色彩の基調としながら柔和で瑞々しい筆触による多様かつ輝くような洗練された描写にある。特に観る者と視線を交わらせる女性の豪華な白黒の縦縞模様の衣服や上品に輝く(何重もの)真珠に首飾り、アクセント的に彩りを添える胸元の(おそらく隣の男から贈られた)薔薇の花束などは女性の優雅な美しさを強調するだけでなく、女性そのものの魅力を観る者により強く印象付けさせることに成功している。また女性の背後でオペラグラスを上空へ向ける男は舞台を眺めるのではなく、おそらくは女性又は有名人が座る他の桟敷席の観客を眺めている。これらの行動は当時の近代生活における日常を見事に描写したものであり、その点でもこの頃のルノワールの作品の中でも本作は特に注目すべき作品として重要視されている。


【全体図】
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観る者と視線を交わらせる女性。1874年の第一回印象派展に出品され、批評家たちから好評を博した数少ない作品の中の一点である本作に描かれるのは、当時の女性らが最も華やかに映える場所のひとつであった劇場の≪桟敷席(劇場で正面に対して一段高く設けられた左右の席)≫での男女の姿である。



【観る者と視線を交わらせる女性】
他の桟敷席へと視線を向ける男。これらの行動は当時の近代生活における日常を見事に描写したものであり、その点でもこの頃のルノワールの作品の中でも本作は特に注目すべき作品として重要視されている。



【他の桟敷席へと視線を向ける男】
アクセント的に彩りを添える胸元の薔薇の花束。本作で最も注目すべき点は、白黒を色彩の基調としながら柔和で瑞々しい筆触による多様かつ輝くような洗練された描写にあり、女性の優雅な美しさを強調するだけでなく、女性そのものの魅力を観る者により強く印象付けさせることに成功している。



【彩りを添える胸元の薔薇の花束】

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