2009/04/05掲載
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テラスにて(Sur La Terrasse) 1881年100.3×80.9cm | 油彩・画布 | シカゴ美術研究所
視線を画面右側へと向ける若く美しい婦人の姿。若く美しい婦人と愛らしい少女を母子として描いた本作は残される書簡などから、おそらくは1881年4月にルノワールがセーヌ河畔シャトゥー村付近のレストラン≪フールネイズ≫で制作された作品であると推測されている。
【視線を画面右側へと向ける若い婦人】
観る者と視線を交わす愛らしい少女。婦人の身に着けるハイセンスな赤い帽子と洗練された紺色の衣服、さらにそのアクセントとして胸元に添えられた白花の飾りの色彩はダーロウの美貌を引き立てるだけではなく、隣の愛らしい少女の衣服や帽子、花飾りなどとも見事な調和を示している。
【観る者と視線を交わす愛らしい少女】
淡彩的ながら高い明度を保つ背景処理。前景のやや強い濃色に対して背景の色彩はやや淡彩的に描写されているものの、色調そのものは背景の方がより明瞭であり、画面全体が重く沈みこんでしまうのを巧妙に回避させている。
【淡彩的ながら高い明度を保つ背景】 |