Description of a work (作品の解説)
2007/04/19掲載
Work figure (作品図)
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陽光の中の裸婦(エテュード:トルソ、光の効果)


(Torse de femme au soleil) 1875-1876年
80×65cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール印象主義時代の代表作のひとつ『陽光の中の裸婦(エテュード:トルソ、光の効果)』。本作は1876年に開かれた第2回印象派展に出品された画家の作品の中の1点で、ルノワールやモネを始めとした画家たちがしばしば描いたアンナ・ルブッフ(23歳で中夭)という魅力的な女性をモデルに制作されていることから『エテュード:トルソ』、『アンナのトルソ』とも呼ばれる。現在でこそ画家の印象主義時代の傑作のひとつとして名高い本作は出品当時、数人の批評家は好意的に賞賛したものの、アルヴェール・ヴォルフの「これは完全に死した肉体の状態を示す、紫や緑の斑点が浮き出た腐敗しつつある肉の塊である。」という評論を始め、多くの批評家たちから酷評された。ルノワールの作品の中でも戸外における裸婦像の最初期の作品でもある本作に示される、陽光が織り成す多様な色彩の変化や、それによる対象への視覚的効果の美しさは、観る者の目を奪うばかりであるほか、画家の類稀な表現、描写力によって対象(裸婦像)と背景の自然の輪郭は溶け合い融合し、幻想的にさえ感じられる。また躍動感に溢れる自由闊達な筆さばきや、個性的な色彩感覚、人目を惹きつける魅惑的で官能的な画面構成など細部・全体問わず見所や注目すべき点が多い作品でもある。


【全体図】
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アンナ・ルブッフをモデルとし描かれた裸婦像。本作は第2回印象派展に出品された作品で、数人の批評家からは好意的に賞賛されたが、「これは完全に死した肉体の状態を示す、紫や緑の斑点が浮き出た腐敗しつつある肉の塊である。」という評論を始め、多くの批評家たちから酷評された。



【アンナをモデルに描かれた裸婦像】
陽光が織り成す多様な色彩の変化。ルノワールの作品の中でも戸外における裸婦像の最初期の作品でもある本作に示される、陽光が織り成す多様な色彩の変化や、それによる対象への視覚的効果の美しさは、観る者の目を奪うばかりである。



【陽光が織り成す多様な色彩の変化】
躍動感に溢れる自由闊達な筆さばき。また幻想的にさえ感じられる対象(裸婦像)と背景の自然の溶け合う輪郭の表現や、個性的な色彩感覚、人目を惹く魅惑的で官能的な画面構成など細部・全体問わず見所や注目すべき点が多い作品でもある。



【躍動感に溢れる自由闊達な筆さばき】

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