Description of a work (作品の解説)
2007/09/12掲載
Work figure (作品図)
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朝の日差しを浴びるモレの教会

 (Eglise de Moret) 1893年
80×65cm | 油彩・画布 | ヴィンタートゥール美術館(スイス)

印象派の画家アルフレッド・シスレー晩年期の代表的な作品のひとつ『朝の日差しを浴びるモレの教会』。本作は1893年から翌年の1894年にかけて画家がモレ=シュル=ロワンのノートルダム教会(聖母教会)を連作的に描いた14点の作品群(1893年に5点、1894年に8点制作)の中の一枚で、最も初期に手がけられた作品のひとつであると推測されている。クロード・モネが同様の画題を描いた作品群『ルーアン大聖堂』との関連性が指摘されているがモネの作品群とシスレーの作品群を比較すると、前者は対象(ルーアン聖堂)に当たる光の描写や(絵画的)表現手法に重点が置かれているのに対し、後者は由緒正しい本教会そのものの表現を重要視しているのが大きな特徴である。画家は本教会に面した家の三階から見た構図を採用しており、画面中央に配される重量感に溢れたノートルダム教会の白壁は、朝の日差しを反射し輝きを帯びており、縦に伸びる教会の正面壁から尖端部分までの垂直性は観る者の視線を上空の開放的な空間へと向けさせる。また画面右側下部分に描かれる建物はかつて尼僧らが砂糖を製造していた施設であるほか、左側に描かれる教会通りはノートルダム教会とは対照的に建物の形状を逸する靄がかった表現がなされている。

関連:シスレー作 『モレ=シュル=ロワンの教会−雨の朝』
関連:シスレー作 『陽を浴びるモレ=シュル=ロワンの教会』
関連:シスレー作 『モレの教会』


【全体図】
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開放的な上空の空間。本作は1893年から翌年の1894年にかけて画家がモレ=シュル=ロワンのノートルダム教会(聖母教会)を連作的に描いた14点の作品群(1893年に5点、1894年に8点制作)の中の一枚で、最も初期に手がけられた作品のひとつであると推測されている。



【開放的な上空の空間】
縦に伸びる教会の正面壁から尖端部分までの垂直性。本作はクロード・モネの作品群『ルーアン大聖堂』との関連性が指摘されているが両者を比較すると、前者は対象に当たる光の描写や表現手法に重点が置かれているのに対し、後者は本教会そのものの表現を重要視しているのが大きな特徴である。



【縦に伸びる教会の正面壁の垂直性】
朝の日差しを反射し輝きを帯びる教会の白壁。画家は本教会に面した家の三階から見た構図を採用しており、画面中央に配される重量感に溢れた教会の白壁は、朝の日差しを反射し輝きを帯びており、縦に伸びる教会の正面壁から尖端部分までの垂直性は観る者の視線を上空の開放的な空間へと向けさせる。



【輝きを帯びる教会の白壁】

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