Description of a work (作品の解説)
2007/04/23掲載
Work figure (作品図)
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アルジャントゥイユのセーヌ河

 (La Seine à Argenteuil)
1872年 | 50×73cm | 油彩・画布 | 個人蔵

印象派の画家アルフレッド・シスレーのルーヴシエンヌ時代の代表的な作品のひとつ『アルジャントゥイユのセーヌ河』。本作は画家が1871年からパリ・コミューンを避けルーヴシエンヌに移住した1870年代前半期(ルーヴシエンヌ時代 1871-74年)に制作した作品の中の1点で、本作のようにアルジャントゥイユを描いた作品は10点ほど存在するが、構図、色彩、そして表現手法の点からも特に重要視される作品として知られている。1870年代前半、エドゥアール・マネクロード・モネルノワールなども様々な角度から盛んに描いたアルジャントゥイユは、パリ西方に位置するセーヌ右岸の街で、観光地であるほか、レガッタ(ヨットやボートなどの競漕を意味する)協会の本部があるなどヨット競技の中心地のひとつでもあり、本作にも(それらの点が反映され)セーヌ河を行き交うヨットが描かれている。おそらくは洪水に見舞われたセーヌ河を描いた(画家は本作以外にも数点、他の河の洪水を描いている)本作の、明るい自然的な陽光に包まれるセーヌ河添いの街並みや、水面に反射するヨットや木々などは、動的な筆触を強く示す描写は、大胆ながら風景の印象や情景をよく感じさせる。また左から右にかけて流れるセーヌ河や、対岸の街並みとは対照的に配される(画面左部分に描かれた)根幹が水面下にある樹木の存在感は、観る者の視点を無理なく惹きつけることに成功しており、本作の高い完成度はアルフレッド・シスレーの表現的成長を存分に示す作品としても特筆に値する。


【全体図】
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セーヌ河を行き交うヨット。アルジャントゥイユはパリ西方に位置するセーヌ右岸の街で、観光地であるほか、レガッタ(ヨットやボートなどの競漕を意味する)協会の本部があるなどヨット競技の中心地のひとつでもあり、本作にも(それらの点が反映され)セーヌ河を行き交うヨットが描かれている。



【セーヌ河を行き交うヨット】
陽光を反射するセーヌ河の水面。おそらくは洪水に見舞われたセーヌ河を描いた本作の、明るい自然的な陽光に包まれるセーヌ河添いの街並みや、水面に反射するヨットや木々などは、動的な筆触を強く示す描写は、大胆ながら風景の印象や情景をよく感じさせる。



【陽光を反射するセーヌ河の水面】
明るい自然的な陽光に包まれるセーヌ河添いの街並み。左から右にかけて流れるセーヌ河や、対岸の街並みとは対照的に配される(画面左部分に描かれた)根幹が水面下にある樹木の存在感は、観る者の視点を無理なく惹きつけることに成功している。



【陽光に包まれるセーヌ河添いの街並み】

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