2007/10/22掲載
■
白のシンフォニーNo.3(Symphony in White. No3) 1867年52×76.5cm | 油彩・画布 | バーバー美術研究所 関連:アルバート・ムーア作 『頸飾り(首飾り)』
画面全体を漂う倦怠的な空気感。本作は『白のシンフォニーNo.1』、『白のシンフォニーNo.2』に続く、≪白のシンフォニー≫シリーズの3番目の作品であるが、≪白のシンフォニー≫と画家自身が名称を付けたのは本作は最初である(音楽的な用語を名称に用いたのも本作が最初)。
【画面全体を漂う倦怠的な空気感】
憂鬱そうにソファーへ凭れ掛かる黒髪の女。本作に示されるそれまでの画家の作品にはあまり見られないメランコリック(憂鬱的)な雰囲気や画面全体を漂う倦怠的な空気、布地を多用した装飾的な衣服の描写などは明らかなムーアの影響である。
【憂鬱そうな表情の黒髪の女】
日本趣味的な構成要素である団扇。ホイッスラーは1865年にムーアと出会って以来、互いに認め合いながらも影響を及ぼし合い続けたことが知られており、本作でも独特な淡色的な色彩や装飾性に富んだ画面構成などにそれが認められる。
【日本趣味的な構成要素である団扇】 |