2011/01/03掲載
■
梅花皓月図(動植綵絵)1760年頃(宝暦10年)(Plum Blossoms and Moon) 142.9×79cm | 三十幅内一幅・絹本著色 | 三の丸尚蔵館 関連:バーク・コレクション 『月下白梅図(月梅図)』
煌々と輝く満月。≪動植綵絵≫の中で第一次期(1758-60年頃)に手がけられた1点である本作は、凛と咲く白梅の花木に煌々と輝く満月を合わせた『梅花皓月』を描いた作品で、大典が遺した藤景和画記へは「羅浮寒色」とも記されている。
【煌々と輝く満月】
強い濃淡で描かれる奔放な幹。本作は、現在バーク財団に所蔵される『月下白梅図(月梅図)』と同一の構図・構成で制作されていることが知られているが、細部の表現には、より細緻で立体的な写実性など若冲の個性が明確に示されている。
【強い濃淡で描かれる奔放な幹】 枝先に咲く可憐な白梅の花弁。幹枝と花弁・皓月の造形や色彩などの見事な対比は『月下白梅図(月梅図)』より明確化されており、特に複雑に濃淡を変化させることによる対象の陰影描写は目を見張る秀逸な出来栄えである。
【枝先に咲く可憐な白梅の花弁】 |