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叛逆天使を退治する大天使ミカエル
(San Michele scaccia gli angeli ribelli) 1524-1525年
348×228cm | 油彩・板 | シエナ国立美術館 |
サンタ・マリア・デラ・スカラ病院旧蔵となるベッカフーミ初期の代表作『叛逆天使を退治する大天使ミカエル』。幻想的な光彩によって登場人物を浮かび上がらせることにより、壮麗でありながら神の絶対的な厳粛性をも示す本作の主題は、イスラエルの守護聖人であり、悪魔や龍など邪悪なるものと対峙し、神の剣を振るってきた神の使徒である大天使ミカエルが、叛逆をおこした天使等(サタンやベリアル)を退治する場面≪叛逆天使を退治する大天使ミカエル≫である。叛逆した天使らに神の力を振るう大天使ミカエルは、父なる神の威光により神々しいまでの輝きを放ち、それは父なる神の絶対的な存在と力を示すものであると同時に、正義による完全な勝利を表している。また下部の裸体の人物像からはミケランジェロの影響が認められ、この時代の画家が、ミケランジェロへ強く傾倒していたことを示している。
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