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エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像 1545年頃
(Ritratto di Eleonora di Toledo col figlio)
115×96cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ) |
16世紀マニエリスムを代表する大画家ブロンズィーノが描いた肖像画の傑作『エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像』。本作に描かれるのはナポリ総督の娘であり、名家メディチ家のコジモ一世の妻でもある≪エレオノーラ・ディ・トレド≫とその息子ジョヴァンニを描いた肖像画で、怪しく冷艶な雰囲気を漂わせるブロンズィーノ独特の表現と、白々とした艶めかしい肌の質感による清逸な表情描写は、当時、肖像画家として最も名を馳せていたブロンズィーノの作品の中でも特筆に値する出来栄えを見せている。エレオノーラ・ディ・トレドは子宝に恵まれた人物としても知られており、本作では息子ジョヴァンニを描いたとする見解が研究者の間では最も一般的であるが、別の息子フランチェスコを描いたとする説も唱えられている。
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