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homeページCollection常設展示マニエリスム
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

ブロンズィーノ il Bronzino
1503-1572 | イタリア | マニエリスム

パルミジャニーノと同様、マニエリスム初期から中期にかけて活躍した代表的な画家で、本名はAgnolo di Cosimo(アーニョロ・ディ・コジモ・ディ・マリアーノ・トーリ)。マニエリスムの始祖的な存在であるポントルモの弟子。フィレンツェを活動拠点とするも、1546年〜1548年までローマに滞在した記録も残る。その画風はマニエリスムらしく複雑で誇張気味な人物構成と、長く引き伸ばされた人体描写であるが、独特な雰囲気を漂わせる怪しく冷艶で、かつ不安定な官能性が画家の大きな特徴であった。画業の初期には師であるポントルモと共にサンタ・フェリチタ聖堂の装飾をおこなうも、権力者であったメディチ家と関係を深め、初代トスカーナ大公で同家のコジモ1世や、エレオノーラ・ディ・トレドなどの依頼により、肖像画を始めとした多数の作品を残す。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
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愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)
(Allegoria di Amore) 1540-1545年頃
146×116cm | 油彩・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

描かれる寓意の解釈が極めて難解で、これまで幾度も論争が繰り返される、マニエリスム期を代表する画家ブロンズィーノ随一の代表作『愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)』。ヴィーナスの勝利(Trionfo Venere)とも呼ばれる本作の主題は、愛と美の女神≪ヴィーナス≫であるが、複雑に配される人物の解釈によってその内容が異なるミステリアスな作品である。しかしブロンズィーノ独特の冷艶でありながら、不安定な登場人物の官能性が見事に表現されており、数多くの者を魅了してきた。画面中央には美と愛の女神である天上のヴィーナスと、その息子で愛の神エロス(キューピッド)の全身像が描かれている。この口づけを交わすヴィーナスとキューピッドが見せる冷艶な表情と、不気味な程にエロティックな白い肌の表現は、ブロンズィーノの際立った個性のひとつである。一方、画面右上には右肩の上に砂時計を乗せていることから、時司の寓意とされる鮮やかな青布を広げる≪時の翁≫が配されており、≪真理≫と共に青布を広げる≪時の翁≫は、本作の真意をまざまざと暴き示す存在として描かれている。右方を見つめる力強い眼差しと、筋骨隆々に描かれる身体の表現は、画家の極めて卓越した技量の表れでもある。また画面右下部、ヴィーナスの足元には≪偽り≫の寓意とされる二つの仮面が描かれており、この美と愛の女神である天上のヴィーナスと、快楽を示す男児の足元に置かれた二つの仮面は、愛と快楽に潜む≪偽り≫を示すとされている。

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聖家族と幼児聖ヨハネ(パンチャーティキの聖家族)
(Sacra Famiglia con san Giovannio (Sacra Famiglia Panciatichi))
1540年頃 | 117×89cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館

マニエリスム期の偉大な巨匠ブロンズィーノの代表的な聖家族作品のひとつ『聖家族と幼児聖ヨハネ』。同時代に活躍したヴァザーリが残した記述によって、本作はブロンズィーノの有力なパトロンのひとりであったバルトロメオ・パンチャーティキとルクレツィアのために制作されたことが判明しており、別名『パンチャーティキの聖家族』とも呼ばれている。本作は神の子である幼子イエスと幼児聖ヨハネ、聖母マリア、マリアの夫ヨセフを配する≪聖家族≫を描いた典型例であるが、気品に満ちた冷艶な表情描写、優雅で長く引き伸ばされた人体構造と身振りなど、ブロンズィーノの大きな様式特徴が顕著に示されている。また背景の塔の上には依頼主であるパンチャーティキ家の紋章旗が掲げられているほか、画面左下部分には画家の署名も残されている。

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十字架降下(ピエタ)(Deposizione (Pieta)) 1542-45年頃
268×173cm | 油彩・板 | ブザンソン美術館

マニエリスムの大きな特徴である縦長に引き伸ばされた人体や画家独特の冷艶で甘美性を併せ持つ感情表現が、よく表れているブロンズィーノの代表的な宗教画のひとつ『十字架降下(ピエタ)』。コジモ1世の妻エレオノーラ・ディ・トレドの個人礼拝堂(パラッツォ・ヴェッキオ内)の祭壇画として依頼され、制作した本作の主題は磔刑に処されたイエスの亡骸を十字架より降ろす場面を描いた≪十字架降下≫であるが、聖母マリアが息子であるイエスの亡骸を抱く≪ピエタ≫としても解釈される。画面上部には十字架や石柱などの受難具を手にする天使たちを配し、また画面下部には磔刑に処されたイエスと、亡骸を抱く聖母マリアを中心に、マグダラのマリアや福音書記者ヨハネなど磔刑に立ち会ったとされる諸聖人が描かれてる。画面中央にはイエスの亡骸を抱く、悲壮に満ちた聖母マリアが描かれ、このドラマティックなをイエスと聖母マリアの場面は、ブロンズィーノ独特な冷艶で甘美性を併せ持つ表現で描かれおり、神性を汚すことなく豊かな感情を見る者に呼び起こさせている。また本作はエレオノーラ・ディ・トレド礼拝堂に収められた後、グランヴェル枢機卿に贈られ、彼の死後、墓所であったブザンソンに置かれた経緯を経てブザンソン美術館の所蔵となっており、現在エレオノーラ・ディ・トレド礼拝堂にはレプリカが配されている。

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エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像 1545年頃
(Ritratto di Eleonora di Toledo col figlio)
115×96cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

16世紀マニエリスムを代表する大画家ブロンズィーノが描いた肖像画の傑作『エレオノーラ・ディ・トレドと息子の肖像』。本作に描かれるのはナポリ総督の娘であり、名家メディチ家のコジモ一世の妻でもある≪エレオノーラ・ディ・トレド≫とその息子ジョヴァンニを描いた肖像画で、怪しく冷艶な雰囲気を漂わせるブロンズィーノ独特の表現と、白々とした艶めかしい肌の質感による清逸な表情描写は、当時、肖像画家として最も名を馳せていたブロンズィーノの作品の中でも特筆に値する出来栄えを見せている。エレオノーラ・ディ・トレドは子宝に恵まれた人物としても知られており、本作では息子ジョヴァンニを描いたとする見解が研究者の間では最も一般的であるが、別の息子フランチェスコを描いたとする説も唱えられている。

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