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オリーブ山のキリスト(ゲッセマネの祈り)
(Cristo nell'orto) 1545年頃、又は1570年頃
油彩・板 | 143.5×127cm | 国立西洋美術館(東京) |
16世紀イタリアの画家ジョルジョ・ヴァザーリの代表的な作品のひとつ『オリーブ山のキリスト』。金融業を営んでいた裕福なラファエッロ・アッチャイウォーリのために描かれた5点の作品のひとつであると推測される本作には、最後の晩餐を終えた神の子イエスが、キリスト十二弟子の筆頭である聖ペトロ、、イエスが弟子の中で最も愛したとされる聖ヨハネ、漁師ゼペダイとサロメの子で激しい気性からボアネルゲス(雷の子の意)と呼ばれた聖大ヤコブの三人を連れゲツセマネのオリーブ山(橄欖山)に赴き、父なる神へ自らに降りかからんとする苦難を退けるよう祈りを捧げる場面≪オリーブ山の祈り(ゲッセマネの園やゲッセマネの祈りとも呼ばれる)≫が主題として描かれている。本作では誇張された流動的な人物の配置や身振り、鮮やかでありながら冷たさも感じられる色彩などヴァザーリの画風である典型的なマニエリスム様式の特徴が良く示されている。
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