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聖家族と幼児聖ヨハネ(パンチャーティキの聖家族)
(Sacra Famiglia con san Giovannio (Sacra Famiglia Panciatichi))
1540年頃 | 117×89cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館 |
マニエリスム期の偉大な巨匠ブロンズィーノの代表的な聖家族作品のひとつ『聖家族と幼児聖ヨハネ』。同時代に活躍したヴァザーリが残した記述によって、本作はブロンズィーノの有力なパトロンのひとりであったバルトロメオ・パンチャーティキとルクレツィアのために制作されたことが判明しており、別名『パンチャーティキの聖家族』とも呼ばれている。本作は神の子である幼子イエスと幼児聖ヨハネ、聖母マリア、マリアの夫ヨセフを配する≪聖家族≫を描いた典型例であるが、気品に満ちた冷艶な表情描写、優雅で長く引き伸ばされた人体構造と身振りなど、ブロンズィーノの大きな様式特徴が顕著に示されている。また背景の塔の上には依頼主であるパンチャーティキ家の紋章旗が掲げられているほか、画面左下部分には画家の署名も残されている。
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