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聖ゲオルギウスの聖母
(Madonna del san Giorgio)1531-32年
285×190cm | Oil on panel | Gemaldegalerie, Dresden |
古くから描かれる聖母子の典型的な構図、玉座の聖母子にて制作された祭壇画、マニエリスムの画家コレッジョ作『聖ゲオルギウスの聖母』。主題は作品からわかるように青いヴェールとマントを纏い、赤の衣を身につけた聖母マリアとキリスト、聖人たちを画面に配する≪聖家族≫で、モデナにあるサン・ピエトロ・マルティーレ聖堂のために制作された。集まる聖人たちの方を静かに向き、彼らの話す言葉に耳を傾ける、玉座に収まる聖母子は画面の中央で安らぎと慈愛に満ちた笑みを浮かべている。また都市生活から離れ、神の審判が迫ることを説き、人々に悔い改めの証として洗礼を施した。キリストもヨルダン川でその洗礼を受けたとされる若い青年の姿をした洗礼者ヨハネやヴェローナ出身のドミニコ会修道士で、異端者の弾劾し、貴族から財産を没収したことで恨みを買い暗殺された殉教者ペトルス(左)と、甲冑で身を堅め、異教の有翼竜を退治したと伝えられる伝説上の人物、聖騎士ゲオルギウスの端整で甘美な顔立ちや仕草も注目すべき点のひとつである。
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