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作品イメージ
homeページCollection常設展示マニエリスムコレッジョ (Correggio)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2005/05/19掲載
【全体図】
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イオ(ユピテルの愛の物語) (Io (Amori di Giove))
1531年頃 | 163.5×74cm | Oil on canvas |
Kunsthistorisches Museum Wien (ウィーン美術史美術館)

コレッジョの最高傑作と名高い神話画連作≪ユピテルの愛の物語≫の中のひとつ『イオ』。主題、構成力、表現力、色彩の豊かさ、気品など、まさに画家としての頂点を示す作品。ローマ神話よりユピテルの妃ヘラの女神官で、初代アルゴス王イナコス河神とユナに仕える巫女メリアの娘としても解釈される≪イオ≫を題材とし、ユピテルの寵愛を一身に受けるイオの刺激的なエロティシズムを、類稀な構想と、老いて益々円熟味を増していったコレッジョの表現力によって、これまでに存在しない唯一無二の作品へと昇華させた。ヘラの目を欺くように鬱蒼とした黒い雲に姿を変えたユピテルが、イオの下を訪れ、抱擁とともに頬へと接吻するその動作や表情に、作品の前に立つ者全ては、情事の物語的な思想と、潜在的な官能性を呼び起こし、圧倒と快楽を覚えるのである。またそれは、この≪ユピテルの愛の物語≫と題された神話画連作を皇帝カール5世へ献上する為にコレッジョへ注文したマントヴァ公フェデリーコ・ゴンザーカや宮廷の文化が最も望んでいたことであり、本作『イオ』によって、完全に叶えられることとなった。


【官能的なイオの表情】
黒い雲に姿を変えたユピテルに接吻される、エロティックで官能的なイオの表情。妃ヘラの嫉妬を避ける為、ユピテルはイオを白い牝牛へと姿を変えたが、妃ヘラが放った虻によって苦しめられ、狂乱のうちに世界を彷徨い続けた後、エジプトへ着いたとされることから、イオはエジプトの女神イシスと同一視される。

【至上の美を思わせるイオの裸体】
ユピテルの愛撫を受ける、至上の美を思わせるイオの裸体。一糸纏わぬイオの白く輝く肌の質感は、黒い雲へと姿を変えたユピテルの抱擁に一層強調され、低俗な官能描写ではなく、ひとつの作品としての極めて高い完成度を示している。

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