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四聖人の殉教 (Martiri del quattro santi)
1524-26年頃
160×186cm | 油彩・画布 | パルマ国立美術館 |
聖プラキドゥス、聖女フラヴィア、聖エウティキウス、聖ウィクトリヌスの殉教を描いた作品『四聖人の殉教』。対画的作品の≪十字架降下≫と共に、パルマのサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ聖堂デル・ボーノ礼拝堂のために描かれ、現在はパルマ国立美術館が所蔵する本作の大きな見所は、ローマ兵によって剣で貫かれる聖女フラヴィア・ドミティッラの劇的な瞬間を捉えた洞察描写と、隣で悲観し天を仰ぐ10世紀アレキサンドリアの聖人エウティキウスを始めとする諸聖人の感情表現である。画家の得意としたヴェネツィア派を思わせる多様な色彩と、バロック絵画にも通じるドラマティックな構図によって示されるそれらは、成熟期に差し掛かったコレッジョの特徴がよく表れている。青と黄の鮮やかな衣を身に纏った聖女フラヴィアを始めとする登場人物は、躍動感とリアリティに溢れ、作品の中で圧倒的な存在感を示している。本作は聖プラキドゥス、聖女フラヴィア、聖エウティキウス、聖ウィクトリヌスの四聖人から構成され、中でも剣で貫かれる聖女フラヴィアは、悲劇的かつドラマティックなその瞬間を表情と仕草によって示している。
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