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聖母の結婚(Sposalozio della Vergine)1523年
325×150cm | Oil on panel | San Lorenzo, Florence |
マニエリスム第一世代を代表する画家、ロッソ・フィオレンティーノ フィレンツェ時代の名作『聖母の結婚』。本作の主題≪聖母の結婚≫とは、聖母マリアが14歳のときに、国中の独身者に一本杖を持たせて集め、杖の先に花の咲いた者を夫に選べという聖告に基づいて選ばれたヨセフが、他の求婚者や侍女たちが群れなす中、司祭の目前で聖母マリアに指輪をはめるという場面を指す。本作で最も大きな表現的特徴は人体のやや引き伸ばされた長身的な各登場人物の奇抜な描写にある。図像学的な伝統的色彩配色が用いられながらも、金属的な光沢感や明暗対比の強い立体的造形はマニエリスム様式の作品の中でも特に注目すべき表現であり、観る者に強い印象を与えている。また画面上部から下部までに配される20人以上の人物の多さも本作の特異的特長のひとつである。
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